4ページ 【特集】扉の先に見えたもの~栗原市工芸展の魅力に迫る~ 作品作りの雰囲気まで伝わる工芸展  これまで10年以上にわたり、栗原市工芸展に足を運んできた栗原さん。  「この工芸展は、作品作りの雰囲気まで伝わる」と話します。  栗原市工芸展の魅力を伺いました。 栗原 徹(くりはら とおる)さん(若柳大袋) 作り手の息遣いを知り楽しむ  栗原市工芸展は、市内の物事から着想したと感じさせる作品もあり、まさに栗原らしい展示会だと思います。また、全国的にも有名な美術展に入選する作り手の作品もあり、本当に見どころが多く、栗原の香りがする作品ばかりです。私は、この点が他の展示会と明らかに違うと思っています。  さらには、展示されている作品は全て栗原市内の作り手によるもの。会場には、その作り手がいて、来場した人たちに交代で作品の案内をするなど、作り手と来場者の距離が近いことも、魅力の一つだと思います。例えば、県内や他県にある美術館を想像してみてください。普通は、作り手はその場にはいません。そのため、作品の解説を読んで、その作品のことを知るのが当たり前の光景です。しかし、この工芸展は違います。作り手に直接作品に関する質問をするなど、作品作りの様子や思いなどを聞くことができ、作品作りの雰囲気まで伝わるのが、本当に良いですね。 5ページ 【特集】扉の先に見えたもの~栗原市工芸展の魅力に迫る~ 扉の先に見えたもの  取材から見えてきた栗原市工芸展の姿。それは、栗原ならではのものであった。  栗原の物事から着想を得た「作品」。そして、使う人のことをイメージしながら、日々ひた向きに技術を磨く「作り手」たち。さらには、その作り手たちと直接交流し、作品作りの雰囲気までも楽しもうとする「ファン」ともいうべき存在。この三つが会場で織りなす空間は、まさに栗原の香りがする工芸展と言える。  今年も栗原市工芸展が8月に開催される。今回は昨年より1人多い10人の作り手の作品が並び、細かな模様を彫り込んだひょうたんランプなども新たに展示される。  扉を抜けたその先で、今年も作品と作り手が皆さんの来場を待っている。 第27回栗原市工芸展 ●日時 8月6日(火曜日)~11日(日曜日) 午前10時~午後5時  ※最終日は午後4時まで ●場所 栗原文化会館 ●内容 市内を拠点に活動する工芸作家10人の作品展示 ●入場料 無料 問い合わせ先 栗原文化会館 電話23-1234 写真 ①緻密に作り込まれたパンフラワー作品 ②著名な能役者も使用する能面 ③細部まで描きこまれた一閑張作品 ④市内の陶芸作家が作る大皿などの力作も並ぶ ⑤仏像や生き物を彫りこんだ作品も多数展示