2ページ 【特集】明日の元気をつくる食  全国や宮城県の平均より、肥満者の割合が多い栗原市。食生活を整えることは、健康づくりの第一歩になります。  今月は、私たちが健やかに生きていく上で欠かせない「食」について、一緒に考えてみましょう。 栗原を取り巻く食の課題  市の肥満者の割合は、ほとんどの年代で全国や宮城県の平均よりも多くなっています。これは、全国で実施している令和元年度国民健康・栄養調査などの結果から見えたもので、中でも5歳児男子や高校3年生女子は、全国平均の倍以上です。  また、住民健診の結果では、働き盛りの年代で肥満増加が見られ、間食をしたり、就寝前2時間以内に夕食を食べたりする女性の割合は、宮城県の平均を超えました。  この他にも、市が令和5年度に実施した「食に関するアンケート調査」では、食品のパッケージに記載されているエネルギーや脂質、食塩相当量などの栄養成分表示を参考にしていない人の割合が59.2パーセントという結果が出ていて、普段口にする食べ物の栄養バランスを気にしない人が多いことが分かっています。  特に子どもは、大人が作った料理を食べることがほとんどで、大人の食生活の影響を受けやすいものです。そして、子どものときに身に付いた習慣は、大人になってからも続いていきます。  大人が食生活を見直すことは、自分自身の健康だけでなく、子どもたちの健康を生涯にわたって守ることにもつながります。 肥満者の割合 栗原市 5歳児男子 10.5% 5歳児女子 8.4% 小学5年生男子 24.6% 小学5年生女子 18.6% 中学2年生男子 22% 中学2年生女子 12.9% 高校3年生男子 17.7% 高校3年生女子 18.9% 40代男性 41.6% 40代女性 27% 【出典】 栗原市「令和4年度栗原市体格調査」、文部科学省「令和4年度学校保健統計調査」、厚生労働省「特定健診・特定保健指導における法定報告」、厚生労働省「令和元年度国民健康・栄養調査」 3ページ 【特集】明日の元気をつくる食 地域の特性を生かして食生活を改善  さまざまな栄養素を含むバランスの良い食事を取ることは、健康な食生活を目指す上で重要な要素です。豊かな土壌が広がる栗原では、米や野菜、肉など、さまざまな農産物が生産され、直売所やスーパーでは、市内産の新鮮な食品を購入できます。地産地消は、栄養価が高い新鮮な食材を食べることができる他、生産と消費の関わりや地域の伝統的な食文化について理解を深める機会にもなります。  また、幼少期から、家族と一緒に買い物に行き、産地や栄養素などを確認しながら食品を選んだり、祖父母や親から教わりながら郷土料理を作って食べたりすることは、食の知識の習得と実践につながります。 一人一人が食の主役  市では、食生活の課題解決や郷土料理の伝承を進めるため、令和5年に「第4期栗原市食育推進計画」を策定しました。  日頃の食生活や、健康診断の結果を基に、自分や家族の「食」に目を向けてみませんか。 食のあれこれ チェックリスト 食事や食生活を整える上で大切なことを、どのくらい実践できているかチェックしてみましょう。 食事の前に手を洗っている 朝ごはんを食べている 主食(ごはんやパン)、主菜(肉や魚など)、副菜(きのこや海藻など)をそろえて食べている 栄養成分表示(食品の包装に書かれている、エネルギーやタンパク質、食塩相当量など)を確認している 適正体重を維持している [計算方法]身長(メートル)×身長(メートル)×22 郷土料理を食べている 食事の前後に「いただきます」、「ごちそうさま」のあいさつをしている ゆっくりよくかんで食べている 料理を残さず食べている 減塩調味料・減塩食品を使っている 栗原市産の食材を食べている 食に関するイベント(料理教室や、田植え体験など)に参加している あなたのBMIは? BMIは、肥満度を測るための国際的な指数です。BMIを計算し、健康管理に活用してみましょう。 体重(キログラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル)=BMI ※体重55キログラム、身長160センチメートルの場合:55÷1.6÷1.6≒21.5 目標とするBMIの範囲 ・18歳~49歳:18.5~24.9 ・50歳~64歳:20.0~24.9 ・65歳以上:21.5~24.9 ※高齢者は低栄養防止のため、下限値が高く設定されています。 【出典】厚生労働省「日本人の栄養摂取基準(2020年版)」 BMI 肥満の判定 18.5未満 低体重(やせ) 18.5~25未満 普通体重 25以上 肥満